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大学生

新NAIST生が家探しした話

はじめに

NAISTの寮は、博士課程≒留学生>女子>男子という優先順がある。そもそも、女子はほとんどいないから、結局はDと留学生優先で、残りを成績順に新M1に割り振っている仕組みっぽい。新M2が寮に入る場合もあるらしいけど、大体の賃貸って2年契約だからそもそも希望者が少なそう。この場合はM1での成績で決まるとのこと(参考)。

つまり、入試で上位を取れなかった新M1は、寮に入れず、自分で家を探すことになる。しかもその上位の割合は年々厳しくなっている(2020年度現在)。NAISTのサイトによれば、2018年度のM1の入居希望者のうち上位45%が入居できている。けっこうきびしい。ただ、大学側も学生寮を増やそうと頑張っているので、2020年度とそれ以降では状況が変わっている可能性はおおいにある。

 

さて、僕は入試でミスったので、寮に入居できなかった。卒論が2月中旬に終わり、旅行をはさんで、2月下旬に家探しを開始した。この記事では、部屋を決めるさいに注意していたポイントなどをいろいろ書いていく。

部屋の条件

 条件としては、これだけだ。

  • 月に払う総額45000円以内(インターネット・電気・ガス・水道代除く)
  • 広さ20m2以上
  • なるべくNAISTに近い

そもそも、広い部屋希望だったので、寮に落ちたことはあまり残念でない。経済面だけが残念だ。

こんな条件なら部屋はすぐに見つかると思っていた。しかし、首都圏である千葉市にいたときと同じ感覚で部屋を選ぶわけにはいかなかった。

特に最後の条件で、家探しは難航することになる。

 

家が無い

まず、NAIST周辺の地域の地形図を見てほしい。

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けいはんな学研都市の地形図(出典: google map)

あれ、なんか、緑色じゃね?(嫌な予感)

では、赤い四角で囲った部分について、物件を見てみよう。

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NAIST付近の物件(出典: homes)

 いやあ、ひどい。もちろん、NAISTの立地が。

NAISTは、地形的には大和盆地の最北端に位置する。盆地の北端ということは、当然そこは山なのだ。電車もそんな山の中までは来てくれない。地形図における、灰色の線が電車である。駅がないから、家もない。

学研奈良登美ヶ丘駅の少し下に中登美ケ丘という地域があって、ここのURは大学があっせんしている。家賃は10%安くなるが、最初の状態ではエアコンもコンロもついてない。それに、どの部屋も1LDK(38m2)あり、一人で住むには広すぎる。シェアハウスをしようにも、入学する前から同居人を見つけることは、友達と入学でもしないかぎり不可能に近い。

どうやって通うのか

NAISTから最も近い駅は学研北生駒学研奈良登美ヶ丘だが、そこからでさえ徒歩20分はかかる。生駒駅東生駒駅周辺に住んでいる学生は、電車+徒歩で30~40分くらいを片道の通学にかけている。

じゃあ近くに住めばと考えると、NAISTの近辺には家が無いため、電車を使わない学生は、最低でも片道3kmくらいの道を通学する必要がある。しかも、山っぽい地形のため、坂を上り下りしなければならない。そうすると、交通手段はバス、(普通の)自転車、電動自転車、クロスバイク、原付から選ばざるをえない。バイクや車があれば便利だが、それなら生駒に住んだほうが暮らしやすそう。さらに、自転車や原付での通学は車道しかない道を通る必要があるため、少し危険であるらしい。

バスは、学園前駅からNAISTまで、片道390円。すごく高い。しかも1時間に1本。不便だし、2年間の交通費を考えたらその金額で自転車や原付が買えてしまう。

奈良に引っ越してまずしなければいけないことは、自転車や原付の店を探して交通手段を確保することであろう。そして言うまでもなく、これらはかなりお金がかかってしまう。自転車でも48000円すれば、月に2000円余計にかかっているのと同じことである。原付は中古でも50000円くらいはするし、維持費が月3000円ほどらしい(参考)。

 

卒業する人、だれか自転車でも原付でも売ってください。

連絡(@stolenunoforms)お待ちしております。

プロパンガス

田舎だから、家の多くはプロパンガスである。Liquefied Petroleum gas、通称LPガス。家のガスには都市ガスとプロパンガスの2種類あり、なんとプロパンガスは都市ガスの大体1.5~2倍くらいガス代がかかるのだ。プロパンのガス代は大家が決めているらしいので、物件によって差異があるとのこと。僕は千葉で暮らしていたときはガス代が平均約3000円だったので、最悪でプラス3000円かかってしまうことになる。

田舎暮らしでは、交通手段とガス代が多くかかる。本当はこれらのデメリットは部屋の広さとトレードオフなのだけど、一人暮らしの場合、それを享受できない。

 

結論、田舎での学生の一人暮らしは経済面、利便性のどちらにおいてもメリットが全くない。筑波大学のように、せめて駅から近ければ暮らしやすいのだけど、NAISTは立地が田舎過ぎる。

 部屋探しのポイント

さて、いろいろな悪条件のなか、マシな部屋を見つけていく。以下、注意していたポイント。

  • 大学からの距離
  • 共益費はいくらか
  • 敷金礼金がかかるか
  • エアコンやコンロが最初からついているか
  • ネット回線が引けるか(田舎なので引けない地域もある)
  • テレビ線があるか
  • 家賃支払いにおける保証会社の有無

家賃の保証会社というのは、なんか月額で保証会社に金を払わないといけないことがある。しかも1年ごとに10000円も更新料としてとられるし、なぜ独立生計でない学生がそんな金を払わないといけないのか分からない。

 

なにはともあれ、大学から4kmくらいのところに条件を満たす部屋を見つけて住むことにした。あまり近くないので、通学方法のめどは立っていないが、とりあえず電動自転車でも探してみようかと考えている。

借家人賠償責任がある学研災

借家人賠償責任とは、保険の項目の一つである。借りてた家で小火を起こしたり水を漏らしたりして他の住民の部屋に損害が出たときに、その賠償金が出る。家を借りるならこれに入っていた方がいいのだが、NAIST生が入れる学研災付帯学総という総合保険の中に、それが含まれている。

学研災とは、「学生教育研究災害傷害保険」の略で、入学手続きの中にこの加入手続きも含まれている。そのメンバーがオプションで入れるのが付帯学総(付帯学生生活総合保険)である。デフォルトが学研災で、オプションが付帯学総。ややこしい。

賃貸の中には、「住宅総合保険加入必須」という条件がある場合がある。これは、借家人賠償責任がある保険に入れという意味である。そのときは、学研災付帯学総を申し込んでおけばいい。

まとめ
  • NAISTは駅から遠いため、立地が悪い
  • 近くに住むならクロスバイク、電動自転車、原付が必要
  • プロパンガスは高い
  • 学研災付帯学総には借家人賠償責任がある

寮に落ちると大変なので、ちゃんとTOEICと数学も頑張りましょう。

寮以外での一人暮らしで、かつ通学に時間をかけたくない人は、もう研究室で生活するしかない。僕はB4でもそんなことをしていたので、結構そのつもりでいる。ノウハウがたまったら記事にします。